TOP > 今月のOh!ススメ本
今月のOh!ススメ本

静岡本店 「鍋倉」のOh!ススメ本

  • 2017年12月のオススメ本
  • かがみの孤城
  • 辻村深月/著
  • 価格/1944円
静岡本店
鍋倉
 主人公の「こころ」は雪科第五中学校の中学一年生。とある理由から学校に行っていない日々を送っている。
 いつものように自分の部屋で過ごしていたこころは、まばゆい光に満ち溢れた鏡の中に吸い込まれてしまう。鏡の中にはお城があり、こころと同じ年ぐらいの6人の少女や少年たちが集められていた。こころたち7人に課されたたことは、この城の中にある「願いの部屋」の鍵を探し出すこと。その鍵を見つけた人だけが願いを叶えてもらえること。そしてこの鏡の城には、朝9時から夕方5時までしかいられないこと、鏡の中へ出入りしているところを誰にも見られてはいけないこと。
 彼らと行動を共にするにつれ、こころは彼らが自分と同じように、何かしらの事情で、学校に行ってはいないことや、ギリギリの心を抱えて、自分自身が抱えている状況と向き合っていることに気づく。この本を読んでいくうちに、(こころたちがぶつかり合いながら、どんどん仲間になっていく中で、)こころたち7人の事がだんだん他人とは思えなくなってくる。どうしてこころたちが集められたのか、鍵はどこにあるのか。自分自身も一緒に7人と気持ちを合わせて、その謎に挑戦しているような不思議な錯覚にとらわれた。
鍵は見つかるのか。そしてその鍵を見つけることができたのは誰なのだろうか・・・。
 思春期と言葉で片づけてしまえば、たった3文字のあの時間を、私もずいぶん悩み、苦しんで過ごしていたと思う。どうして人を傷つけてまで、人と関わろうとする人がいるのか不思議だったし、一人ひとりは弱いのに、集団になることで生まれる、どこかささくれ立っていて、何かあればあっけなく崩れてしまいそうなあの不穏な空気がたまらなく嫌だった。その当時は自分だけがこんな気持ちを抱いているような気でいたけれど、もしかしたらあの集団の中にいた誰しも、同じような気持ちを抱えていたのではないかと、今となっては思う。
 そんな気持ちを味わって大きくなった大人たちに、あの時の自分に、そして今、思春期真っただ中の人に、ぜひ読んでほしい、手に取ってほしい。「大丈夫、あれこれ迷うことが多かったり、どうしようもなく悩んでいるのはあなただけじゃない。」「あなたはひとりじゃない。」と教えてあげたい。そしてこの物語の最後に用意された、作者からのとっておきのプレゼントを受け取ってほしいと思う。

かがみの孤城
著者辻村深月/著
出版社ポプラ社
ISBNコード978-4-591-153
価格1944円
店舗の在庫状況をお知りになりたい方は、お電話にてご確認ください。
  • 今月のOh!ススメ本・メニュー
  • 今月のOh!ススメ本
  • バックナンバー
  • 戸田書店店舗情報
  • 全国店舗一覧
  • 東日本店舗一覧
  • 西日本店舗一覧

求人情報

これから出る本

季刊「清水」

このページの先頭へ