「ちょっとだけ深く考えてみる　それが、プチ哲学」


　　皆さんは哲学と聞いて何を思い浮かべるでしょうか。難しそう、役に立つのか？とかでしょうか。
形而上学？一元論？観念論？唯物論？ソクラテス？ニーチェ？
安心してください。そういうのは全く出てきません。なんたってプチですからね、petit。

　というわけで今回紹介する本は「プチ哲学」です。作者は静岡県出身の佐藤雅彦氏。「だんご3兄弟」「ピタゴラスイッチ」「I.Q Intelligent Qube」などで有名な方ですね。
内容は、シンプルでかわいらしいイラスト２～４ページ、解説１ページという構成で、３１のテーマについて綴られています。例えば「ツバメの実習」という題では、素早く動く虫達を見た親子のツバメの「あんなに早く動いてる虫とれないよ」「大丈夫、速く飛べば虫は止まって見えるのよ」といった様子のイラストで、テーマである「動いているものは動いている者にしか見えない」をわかりやすく解説しています。

　読んでいて盲点をつかれる事が多いというか、なんとなくコロンブスの卵みたいな、要するに知っていれば容易なことでも知らなければ思いつくのは難しいみたいなことが、自分にはたくさんあるなと、そう感じました。まあこれは僕が物事をあまり知らないということかもしれませんが…。

　哲学と題されてはいますが、自己啓発系の内容だと思います。それにイラストが中心でわかりやすく、１つのテーマが１～２分で読めてしまいますので、１冊読むのに３０分～１時間くらいしか掛かりません。万人におすすめできますが、普段本を読まない人やビジネスマンの方に特におすすめします。

　本文中にも出てきますが、この本で作者が伝えたい事は「考えることって、たのしいかも」ということです。皆さんもいつもよりちょっとだけ深く考えてみましょう。たのしいかもしれませんし、何より人間は考える葦ですから。