静岡本店 「仕入部 鍋倉」のOh!ススメ本

カゲロボ
2019年12月のオススメ本
カゲロボ
木皿泉/著
価格/1540円
ドラマ「すいか」、「Q10」や「富士ファミリー」などで知られる脚本家、木皿泉の小説(9編からなる短編集)。

   ・母と二人暮らしをしていたミカは、離れて暮らす父親が自分とそっくりな「ミカ」と暮らしている
    ことを知る「かお」

   ・マナミは大きな地震で目を覚ます。
    街の様子が一変し、電車が途中までしか走っていなくても、
    それでもマナミには行くところがあった。
    恩師である先生を殺しに。「きず」

  この9編の短編には「カゲロボ」という謎の存在が、物語の中で噂としてまことしやかにささやかれたり、実際にその姿を見せたりもする。
  それぞれの短編の主人公たちの前で、中学生には「猫」老女には「きんぎょ」、姿かたちを変え、いろんな形で、彼女(彼)達を見張っているかのように、姿を見せる。
姿を見せる時はきまって、心の中に抱えた荷物がちょっとバランスを崩し、あたり一面にぶちまけてしまうぐらいにまで追い詰められた人の前だ。心の中でいろんな感情があふれるぐらいに、ひたひたになっていて、ぐらんぐらんとその人自身を揺さぶっていて、ちょっとしたことで崩れてしまいそうなとき、「カゲロボ」が現れる。
  私たちはどうも、はかなさと脆さでできている節がある。かの名曲「王将」の歌詞じゃないけれど、吹けば飛ぶようなのは将棋の駒ではなく、人の心じゃないかと思うぐらいだ。
残念ながら、自分自身や目の前の身近な人がそんな状態に追い込まれているとき、そんな状態をパッと変換させられるほどの力や方法を自分は持ち合わせてはいないし、一生そんな力は手に入らないかもしれない。
それでも、自分にでも、誰かにも、何かの足しになるぐらいのことを、なるべく気づかれないようにさっと自然にできることができたらいいなと思う。
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