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今月のOh!ススメ本

静岡本店 「鍋倉」のOh!ススメ本

  • 2018年10月のオススメ本
  • ほのぼの劇場 1
  • さくらももこ/著
  • 価格/555円
静岡本店
鍋倉
 この本は、雑誌「りぼん」の別冊として、かつて発売されていた「りぼんオリジナル」に掲載されていた、作品(漫画)を集めたものだ。「ちびまる子ちゃん」の主人公まる子が小学3年生なのに対し、この作品に出てくる主人公は、著者自身であり、小学校の時だけでなく、幼稚園児や中学生や高校生だった時や、社会人になりたての頃の話が描かれている。
「ちびまる子ちゃん」のまる子は、子どもとは言えないほど、ドライというか、どこか一歩引いて自分だけでなく、家族や友人といったまわりの人々を見据えているが、著者が持つ独特の距離感や視点はこの作品にもいかんなく発揮されている。
 運動会、初恋、転校生、担任の先生との別れ、親元を離れ一人暮らしを始めたときのこと、誰しもが体験したであろう学校行事や出来事に、大人になってからの著者の視点が入ることで、読んでいると「そうそう、わかるわかる」と、読んでいるこちら側は共感を覚えたり、一つ一つの話の最後にはなんだか何とも言えない切なささえも感じる作品になっている。
 今になって振り返ってみれば、どこかおかしく思うぐらいだけれど、人にはとても言えない何か大切な理由や、どうしても譲れないものをひとしきり抱え込んだ、かつての自分にまた出会ったようなそんな気持ちになる。この作品は、著者ならではのサービス精神の賜物なのかもしれないとも思う。著者が自身の重箱の隅をつつくことで生み出される思い出を舞台にした作品たちには、著者だけでなく、この作品を読む人たちも大切にしてきたものの一端を、確かに感じることができるからだ。この作品を久しぶりに読んでそう感じた。 
 著者がかつて暮らしていた、「ちびまる子ちゃん」の舞台でもある清水(しみず)市は、ずいぶんとその姿を変えてきている。清水市から清水区に変わり、駅の姿も変わり、彼女が入り浸っていたであろう商店街にあった小さなお店もだいぶ少なくなっているし、(清水)銀座にあった本屋もなくなってしまった。それでも、著者が見たその景色を、そこに確かにあった景色を描いてくれたことに、長年この清水という地に住んできた清水市民(区民)として、ただただ感謝したいと今は思う。
ほのぼの劇場 1
著者さくらももこ/著
出版社集英社
ISBNコード9784086181242
価格555円
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