新潟南店 「鈴木」のOh!ススメ本

アンサングシンデレラ 病院薬剤師葵み 1
2019年11月のオススメ本
アンサングシンデレラ 病院薬剤師葵み 1
荒井 ママレ 画富野 浩充 医療原案
価格/638円
 病院薬剤師。品出しをしているとその単語が目に入った。医師を主人公にしたコミックはいくつか出ているが、薬剤師は見たことがない。興味を惹かれて読んでみた。1ページ目をめくって驚く。主人公の葵みどりは「薬剤師っていらなくない?」と否定しているのだ。

 薬剤師へのイメージ…作中では「薬を渡すだけの存在に思われている」と、主人公は嘆いている。ギクリとしてしまった。私は医者にかかったとき、診察で終わりというイメージが強く、薬局で質問や相談をする事などないからだ。しかし、読み進めると薬剤師の日常が見えてくる。

 疑義(ぎぎ)というものがある。処方箋に疑問が生じた際、調剤する前に医師へ問い合わせることで、薬剤師法24条に定められている。重要だが医師から疎まれることもあるそうで、連絡が繋がりにくいケースもある。主人公は「ケアレスミスでいちいち疑義するな」と言われてしまう。患者に対する考え方の違いから揉めることもあり、一筋縄ではいかないようだ。他にも棚卸作業や薬を飲みやすくする工夫を考えたり、症例報告会に出たりと忙しい。

 物語は主に疑義を通して進んでいく。医師へ進言や疑問を伝えると「うちの科のやる事じゃない」などと言われてしまい、簡単にはいかない。組織内の難しさは「わかる、わかる」と共感してしまった。しかし、めげない主人公が周囲を巻き込んで解決していく所は燃える展開だ。日々奮闘する主人公が放つ熱い言葉にも注目したい。「怪我が治って終わりじゃない。病院の外でこれまで通りじゃないと意味がない」と退院したあとの生活も心配してくれている。信念を持った姿を見て胸が躍った。

 現在は3巻まで発売中で、3巻は涙なくして読めない。家族と自分の人生を振り返り、これからどう生きていこうかと考えてしまったほど。ドラマ性が強いので、実写化してほしい作品だ。
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